67 千葉上総レンコンの産地、蓮畑を行く

千葉駅―柏崎―生実坂下―鎌取駅 [小湊鐡道]

かつて千葉県上総地方は蓮(レンコン)の産地であった。しかし千葉市郊外は宅地化でニュータウンとなり、房総地区も農家のレンコン造りの職人が減少して休耕地と化した。

そんな中、実生池には夏になると見事に花が咲きカワセミが戯れる。

県庁所在地、路線バスが多数行きかう千葉駅からバスに乗車し南下する。県庁過ぎると右手には京葉工業地域も見え街並みから住宅地へ。緑豊かな郊外地となり田畑の一部にピンク色の蓮の花が見えてくる。そして生実池に到着。池のほとりには夏祭りの準備なのかやぐらを組む作業が。

散策する傍ら船を押して職人が肩まで池に入り込む姿は並みならぬ作業だ。花の美しさを保てるように見えない根の部分、そうレンコン部分の根の手入れには余念がない。しかし船に乗せられているのは心無い者に捨てられたゴミや空き缶など。美しい花を守るために余計な仕事もしなければならない。

よくスイレン(水連)と間違えられるが池の片隅にスイレンらしき花も咲いていた。花の咲き方、葉の大きさや形が違い、見比べて違いを見るのも勉強になりそう。スイレンの場合は庭園の池など比較的身近に見受けられるが、葉がまん丸で水面に張り付いているのが特徴だ。