バス風景を行く 豊橋鉄道 豊橋駅―伊良湖岬 髙橋俊哉


豊橋駅降りると緑の豊鉄バスが並ぶ。

豊橋鉄道が2007年からバス部門が独立したが名鉄系で、かつては車体も名鉄と同じ赤いデザインだった。鉄道の渥美線も名鉄ではあったが今では譲渡された形だ。

代表する路線は伊良湖岬行。

豊橋駅発車して市内走り抜けても家並みはなかなか途切れず、豊橋鉄道渥美線とも並行する。沿線比較的大きな町、城下町三河田原駅に到着するが鉄道はここで終点、乗り換えてくる人もいる。

ここからはバスのみのルートであるが、いきなり家も少なくなり平野部を快走する。産地なのかキャベツ畑が続く中、菜の花畑がさらに車窓を楽しませ、しばらく美しき車窓で長旅の疲れを和ませると青い海がようやく見えてくるが、これが渥美半島突端伊良湖岬。

地図でどこ探しても湖は存在しない。

そして岩浜が続き投流し島崎藤村の歌曲椰子の実の歌の舞台だ。この岩浜の音を耳に景色を目にしながら、名も知らぬと遠き島より漂着したと考えたりすると感動したりもする。

終点のターミナルは道の駅、フェリーターミナルになっている。遠く伊勢・志摩が見えるが、この先この船に乗って鳥羽から紀伊半島など紀州への旅を楽しむのも面白そう。