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65 河津桜の魅力

河津町役場  [(株)美杉観光バス]

新宿からの高速バスの終点にもなる修善寺。

電車の終点修善寺。東京からの特急踊り子号の終点でもある。ここの駅前は各 地へ行くバスのターミナルでもあり終日路線バスが多数待機している。

その中の一つ、河津駅行きに乗る。経路を見ると天城峠の文字が。先ほど新宿 から乗って来た若者も行き先を決めていなかったのか、路線図見たり案内所に 駆け寄ったりしてこのバスに乗り込んだ。温泉地修善寺から郊外へ出れば、わ さび畑も広がる。国道を快走し歌にも歌われた天城峠を越える。越えればひと だんらく。

湯ケ野を過ぎて河津に近づくにつれて車窓から色濃き桜が咲き競う。これが河 津桜。河津町役場前で降車すれば、道路の右左に桜トンネルができている。

役場前バス停は黒山の人だかり。そこを過ぎて右折すると原木が鎮座している。 ただの一本だけ、周りの堤防などまとまって美しさをかもし出しているが、こ こを通る人が足を止めたり、観光バスが徐行したりしている。まさに河津桜の 源だ。

写真のバスは東京からやって来た美杉観光バス。

64 さらにこれからも

黒磯駅―板室温泉―那須ハイランドパーク [東野交通]

東野交通は9月末日をもって100年以上続いた歴史の幕を閉じることになった。

沿線数多くある温泉の中で板室温泉の表示を見るとその終点へ行って見たくなる。黒磯駅は那珂川に沿って北上する那須高原への代表路線が発着するだけあって多くの乗客が行列をなしている。その発車数分前に板室温泉の表示をしたバスがやって来た。

黒磯駅を出て県道39号線をひたすら走る。県道だけあって古い町並みも、しばらく走れば田畑が広がりそうだが、なだらかな上り坂となり徐々に森林が目立ち始める。正面に山々が迫ってくると板室温泉に吸い込まれる。自由乗降バスなので終点手前の日帰り温泉の前で停車しほとんどの人が降車。宿も数件ありムード良き温泉町。その行き止まりが終点の折り返し所。バスはUターンする。

さあここからは週末と学休日のみしか走らない区間に。民家はほとんどない。終点は那須ハイランドパーク。写真はその平日は走らない森林の中を行く姿。東野交通は那須地区の路線を一手に営業し別荘と森林が良く似合う。

同じ栃木県の関東自動車との合併で名前はなくなるが、運行は今まで通り。いや今後さらなる発展に期待したい。

63 昭和の街をそのままに、福島県川俣町

川俣町―川俣中島―掛田 [福島交通]

絹の里として知られている川俣町。昭和の印象が強く建造物愛好者には静かに話題となっている。三階以上のマンションは見当たらず、集合住宅は郊外に団地、中心地は新しいアパートも二階建て。町のメインストリートは個人経営の商店街。食堂、旅館、呉服店、理髪店。大手メーカーの看板かかげた電気屋さん。通学帰りの小学生を見かけた傍らに本屋さん、文具屋さんがある。店舗を挟んで蔵がところどころ。路地に入ると長屋の民家。

町内を走る路線バス運行は3事業者。写真の福島交通が、国道349号が南北に通っているので町を一旦ひとまわりして両隣への集落へ。1972年に廃止となった川俣線鉄道代行バスは東北本線・松川駅から福島交通川俣営業所近くの川俣高校までカネハチタクシーが受託して運行。ジェイアールバス東北が福島駅から国道114号線をほぼ一時間おきに川俣高校まで、いずれも町を貫いている。町の隅々までのアクセスは町によりデマンドタクシーが運行されている。

このほか長距離便として高速車両を使用した福島交通の福島駅~原ノ町線が町の主要停留所に停車する。ほぼ同じルートをたどる東北アクセスの便は、町を通り過ぎた「いいだて村道の駅」に停車する。

都会から離れていることもあるけど、人口に対してバス路線も多いし、生活の一部として今後も運行を続けて欲しい。

62 エメラルドの海が輝く奥武島(おうじま)

久米島空港―兼城港―イフビーチ-西奥武-営業所(泊―西奥武)[久米島町営バス]

県外からは先ず那覇空港へ。そこで乗り継ぎ久米島空港へ。空港は島の最西端。連絡する町営バスで島の東の果てまで貫き、その果てに奥武島がある。

飛行機が着くと連絡するバスは一路線。飛行機到着時間に連絡し発車し外周道路、久米島一周道路の南側を東へと走る。離島の多くは山で囲まれ外周道路が生活道路でその道路沿いに民家や商店が点在する。光の影響か多くの島は島の南側が栄えている。

久米島も例外ではなく時々見えるエメラルドの海、東シナ海。船での玄関口、兼城港(かねぐすく)。島内一番の見どころ、イフビーチ。そのためか港にも空港にも近くないこの辺りが一番栄えていて、空港近くとここにしかない24時間営業のコンビニの前を通りバス車庫をかすめる。そして海中道路を走り通すと奥武島へとたどり着く。その先、西奥武でUターンし久米島へもどり車庫のある営業所が終点となる。

気の遠くなる場所に思えるが久米島空港に1台しか止まっていないバスに乗れば白い砂、エメラルドの海に輝く、美しき奥武島に到着する。

61 桜島を見ながら

金生町―鹿児島中央駅―平川―指宿―山川 (瀬々串浜―瀬々串)  [鹿児島交通]

西郷どん、のおかげで今や鹿児島は見つめられている都市に。
九州の中でも遠く鹿児島まで来るとさすが暖かい。
市中心部からも手に取るように見える桜島。

順光で家並みもない静かな錦江湾とともに撮影するなら瀬々串近辺。
鹿児島市内から指宿方面行きに乗車して市内を南下。有名になった平川動物園行きが頻繁運転されているが、動物園行きのバスは国道226号線から右へと分離。通院、面会者が利用する鹿児島赤十字病院を通過するとここまで止まりが多く、残るは指宿行き便だけに。でもこの近辺から片側一車線になり国道は錦江湾沿いを快走。

前述の通り路線バスの便数は少なくなり枕崎行きが一日に数本。しかし同じ枕崎行きでも鹿児島空港発の高速バスも数本ある他、この枕崎へ向かう観光バスは頻繁に通る。
交通量はまだ多くまわりの車が入らないようにするにはさらに南へ行ったほうが良い。
桜島の煙の行方を追ってなら更に難しさが増すが、ほぼ終日順光な中、静かな内海で桜島眺めていれば足の先まで体全体が癒されそうな場所でもある。

60 日本第二位の湖だった八郎潟

八郎潟駅―JA大潟村―小中学校―サンルーラル大潟前 [大潟村マイタウンバス(秋田中央交通)]

普通の川に見えるがどこ?

日本で二番目に大きな湖だった八郎潟の名残と言える東部承水路。

国土の狭い日本。海に囲まれそれをどんどん埋めれば国土も広がる。それなのに美しい湖沼をなくして干拓する事業がこのころ盛んだった。

ここへは大潟村マイタウンバスが運行。マイタウンと大きく描かれているが秋田中央交通が運行委託しているのでこのように時折、同社の路線車両もやって来る。

八郎潟駅を発車し西へ。この大潟橋を渡ればかつての八郎潟、そう誕生したのが大潟村。大きな湖だった証拠に見渡す限り平地。田圃だけのこの地、家はない信号もない、道は一直線。

JA大潟村、村役場、保育園、小中学校の前を通り過ぎ、村北部、ふれあい健康館を経由しホテルサンルーラルが終点となる。

かつては秋田県北部に位置したせいか、とても静かな湖だった。シジミの生育、そして日本海に隣接し牡蛎の水揚げも盛んだった。「若いころ泳いだよ。今では藻が広がり水はきたなくなりシジミも取れなくなったよ。」と語る地元農業を営む年配者。しかし今では米どころの代表格、県内一番の裕福な市町村となった。

59 放牧されている馬と濤沸湖

網走駅一原生花園一斜里駅 [網走バス]

網走市と小清水町にまたがる濤沸(とうふつ)湖。小さくで見えづらいが、背後に馬が草をはむ姿が見え、家畜の放牧でも名高い。付近は風光明媚で原生花園のパイオニア的存在の小清水原生花園が東側に位置している。

ここへは網走駅から網走バスで斜里行、または小清水行で30分。ほぼ一時間に一本程度運行されている。当然観光バスも数多くやって来る。

濤沸湖は網走国定公園に含まれ白鳥も飛来し、もちろんラムサール条約にも登録されている。美しい花々に囲まれていれば一日いても飽きない。

北側にはオホーツク海、西側には藻琴湖があり、こちらへ移動中にクマが道路を渡る姿を目撃した。近辺で同じく見かけた人が複数いて、周辺各地からパトカーの出動、小学校校庭から子供の姿は消え。軽トラックでクマ出没の看板立てるなど騒動となった。

道内一人での行動は、冬以外クマに注意が必要。

キーワード:網走国定公園, 白鳥, 国定公園, 原生花園, 湯沸湖, 放牧, 藻琴湖, クマ出没, 冬以外注意

58 信州フルーツライン

篠ノ井駅-篠ノ井-松代郵便局-松代 [アルピコ交通]

1998年冬季オリンピックの会場となった篠ノ井。
篠ノ井駅を東へ、国道18号線をまたぐと川中島古戦場やオリンピック会場だったオリンピックスタジアムをかすめる。更に進めば一面が果樹園となる。

リンゴ畑の他に、もも、ブドウ畑のジャングルをくぐり抜け、フルーツの香りが広がり道路にも飛び出している。近年では心ない一部の者のために、このような景観も少なくなってきた。

高速道路、上信越道をくぐり、松代駅を経由して松代高校前に到着。松代駅とは廃線となった長野電鉄屋代線の駅跡。近辺は果樹園の他にホテルや国民宿舎に加え日帰り施設もある松代温泉があり、静かな長野郊外のひとときを楽しみたい。

57 日本最後の営業用トヨタのボンネットバス

水俣産交―水俣駅―湯の児湖温泉 [九州産業交通(産交バス)]

ボンネットバスが全滅に近くなった頃1976年現在、九州産業交通が九州では唯一ボンネットバスの保有があり熊本県の全域の各営業所に少数ながら存在し合計で20~30両の活躍があった。いすゞの他、その半数がトヨタであったが翌年1977年の年度末には全体で5両まで縮小され、トヨタも1両水俣営業所に生き残った。

1978年夏に全廃となり熊本市内でセレモニーも行われた。

写真は水俣市内から八代海をバックに湯の児温泉へ向かう有終の美のワンシーン。

知られていなかった同温泉も今では多くの観光客や当時客が訪れ訪れ、バス運行も本体の九州産業交通から産交バスが水俣市から委託され、「みなくるバス」と銘打って水俣市から委託運行されている。

当時同車が運行していた路線はこの湯の児温泉線の他、中屋敷線なども「みなくるバス」として存続している。

56 連節バス今日も若さで満員

南草津駅―立命館大学 (近江鉄道)

大阪通勤圏の南草津駅。ここに京都で名高い立命館大学、びわこ・くさつキャンパスが存在する。

駅は大阪から遠く離れ滋賀県ではあっても大阪の郊外地。次々と電車が到着すれば、次々と大学生がバスへと吸い込まれていく。当然連節バスは意欲を発揮して発車していく。

駅発車して南へと商店街から住宅地、外は次第に緑が濃くなってくる。国道1号線、そして名神高速渡ると立命館大学キャンパス内に入り込む。体力作りにグラウンドで走る若者を見て終点のバス停に到着。一挙に降車してそれぞれの校舎に向けて足早に去っていく。

東京の狭きキャンパスはビルのように背高なのに相反して関西の郊外の大学は皆、広き緑の森に囲まれたキャンパスが多い。この立命館大学もその一つだが、澄んだ空気の中で学び世の中に役立つ社会人なるよう願ってやまない。