コラム」カテゴリーアーカイブ

4 去りゆく「隠れた名車」、エアロバス平屋根車

三菱P-MS725NA(しずてつジャストライン)

昭和61年生まれなら、人間だったら大学を出て社会人となる頃だが、この種のバスでは超長寿。日本では、当形式ももうここだけかも。
ハイデッカーが基本となった初代エアロバスでは、全高が低い「平屋根車」が設定されたものの、数は多くなかった。でも、当時「日本初」だった前輪独立懸架仕様もあり、低い全高と相まって峠攻めのパフォーマンス?はピカ一。
フルオートエアコン・角形ヘッドライト等も装備すれば、唯一の欠点であるタイヤハウスの存在を除き、今と比べても内装の質感の高さは抜群である。
今年でもう最後かもしれない、井川駅付近の桜を眺めて走る4/15(日)の同車。天寿を全うする前に、せめて「孫」にあたる次期モデルの姿くらいは拝ませてあげてみたいかと・・・。三菱ふそうさん、よろしくお願いします!(大澤)

3 青春メガドリーム

ネオプラン(ジェイアールバス関東、西日本ジェイアールバス)

全長15メートルのメガライナー。多客路線のつくば号にて活躍後、今度はJRバスのドル箱ドリーム号として運行。
乗車定員84名。従来車両は42名なので2倍の輸送力。青春メガドリーム号として運行初日の昼には、出発セレモニーと飲み物などのサービス付きの試乗会が実施された。
もちろん「人口密度」の高さやサスペンションの硬さ等々はあっても、リーズナブルな値段で乗れて、「外車」としての乗り心地をたっぷり味わいたい向きにはおすすめ・・・。(高橋)

2 三菱ふそうの「ニュー」エアロバス

三菱PJ-MS86JP(京王電鉄バス)

新型セレガ・ガーラの華々しさに隠れ、ひっそりと(?)V8から 直6エンジンにマイナーチェンジを行った、三菱エアロバス。正直、あまり期待しておらず、たまたま飛騨高山便で乗り合わせました。

が・・・・、実はとんでもないモンスターマシン。R158の平湯手前や、中央道の笹子トンネル手前等々、グイグイと登坂!

帰ってから諸元表を見直したら、低出力型の最大トルク1.620N・mでも、セレガ・ガーラ高出力タイプの1.618N・mを上回っていたんですね。(高出力型の1.810N・mは、旧ガーラ480PS車を上回りおそらく国内最高?)

欠点はV8サウンドが聞けないことくらいで、トップメーカーの意地を、見せつけられたような気がします。

余談ですが、京王さんも高速バス運行35周年(※)。中央道をはじめとする厳しい走行条件の中、ここまで大きな事故なくきた努力もまた特筆に値するものと、個人的には思っています・・・。 (大澤)


※.同社としては富士五湖線運行開始(中央道未開通)を起源とするようで、「50周年記念フォトコンテスト」を実施しました。(06.11.30まで)

1 話題の韓国製観光バス

韓国DAEWOO(大宇) BX212S(サンデン観光バス)

新型のアジア製輸入バスが、久々に上陸。
前回の日産ディーゼル車と違って、今度は純粋なアジアン・テイスト?だ。前輪車軸懸架だけど、たぶん一般のお客さんには分からないかなぁ。(^_^)/~
内装は、好みもあるけど、仕上げは少々「大味」な印象。それさえ気にしななければ、「廉価車」としてはオススメ。
隠れた実力として、リターダーが標準というのは国産を超えており、「雪道でも、このレバー一つで強力かつ確実な制動が可能です!」と自信を示す。
ディーラー担当者の弁に、一度は冬の運転席での試乗を希望・・・。(大澤)
(※.ぽると出版のバスツアーに参加させていただきました)

77 桜の下の待機所

松戸駅東口~市立東松戸病院 [松戸新京成バス]

市立東松戸病院は、東京のベッドタウン千葉県松戸市における医療の中核を担う施設のひとつ。JR常磐線松戸駅から病院の玄関前までを松戸新京成バスの路線が結んでいる。

折返しの間合い時間などに使用する待機所は、病院の玄関前を避けてロータリーの向かい側に設けられている。その脇には桜の樹があり、開花する時期には桜のすぐ近くで待機することになる。

外来・入院の両方で地域の医療を支えてきたこの病院も2023年度限りで閉院となる。それにともない、このバス路線も3月31日の運行を最後に廃止となる。昨年は関東地方の桜の開花が早く、3月中に満開を迎えた。今年は昨年よりかなり開花が遅くなっている。そのため、この場所での満開の桜とバスの組合わせは昨年が見納めとなってしまった様である。(fuku)

76 時代は明治に戻って、車窓からも歩き回っても明治

明治村村内 [博物館明治村]

場所は愛知県犬山市にある博物館明治村 明治時代の建物を数多く保存してあり、時代劇等のテレビによく登場する。敷地内は広く移動も大変。そこで明治時代の汽車や市内電車が活躍している。そしてバスも登場した。残念なことにバスに関しては当時のものではなく、レプリカとして再現し敷地内を走行している。バスだけあって細かく、バス停があって停車場所が多く利用する人も多い。

1000本近くある桜の木、春は村内至る所がピンク色に染まるが、卒業、入学を記念して訪れる学生も多いが今年は桜満開のタイミングが難しそう。

明治時代の建物の中を走り行くのであるから、それとマッチしているバスとのコラボ写真数多く撮影できることだろう。

あくまでも公道ではなく村内の入村者が堂々と歩く中、人の歩く中を避けて走行することは、ドライバーの神経は相当大変。もちろん、そのような場所なので速度はいたってゆっくり。そのゆっくり利用してスナップ写真撮影も、車窓からの明治時代をしのんでの眺めも楽しめる。

アプローチは名鉄電車の他、名古屋から直通バスも運行されている。名鉄バスセンター発で栄以外、数カ所に停車してこちらも乗車が楽しめる。

75 ローカルとニュータウンが入り混じる路線

取手駅―北方車庫 [大利根交通自動車]

東京から電車で50分、千葉県から茨城県入りした直後の取手駅。

ここから少数精鋭の路線バス会社、大利根交通自動車。取手駅を拠点として数路線を運行するローカルバス会社。しかし取手は東京への通勤地として駅より離れた場所へもニュータウンが増えて右肩上がりのバス会社となった。

取手駅を発車すると今渡ってきた利根川沿いに東へ、他社のバスは直進するが大利根交通は右折し川の土手下を快走する。左は田畑が広がり右は河川敷、散策にスポーツに多くの近隣の人たちの憩いの場でもある。

バスはその先分離した他社路線と合流する。近年暴れ川となった小貝川渡ると羽根の台、新しい民家が並ぶ。広き緑に囲まれた大自然豊かな住宅地をかつてのローカルバスが行く。

まもなく営業所のある北方車庫に到着するが、路線によってはこの先の新興住宅地を回る路線もある。 末広がりの印象がある大利根交通だ。

74 琵琶瀬展望台

26系統霧多布線 くしろバス本社―釧路駅―厚岸営業所―琵琶瀬展望台―霧多布温泉ゆうゆ [くしろバス]

北海道も道東までくると更に北海道らしさを感じる。雪の積雪量は比較的少ないが、風は強く寒さは厳しさを増す。

釧路駅前から26系統霧多布線に乗車すると、先ずは市内を一周する。市内を抜けると国道44号線を西へ。民家もなくなり、のどかな牧場眺め家畜の白く吐く息は北海道の寒さの厳しさ、ここで生活する人たちとともに生き抜く動物の活気ある姿がうかがえる。

湿原を飽きるほど眺めると、やがて見えてくるのが青い海、そして久々に町が見えてくる。これが厚岸。一旦町中へ入り込んで駅前の営業所で時間調整。国道44号から分離して海岸線を行く。右に太平洋、左に厚岸湖、藻散布沼、火散布沼などを眺めると霧多布湿原を一望できる琵琶瀬となる。

この琵琶背過ぎて地平線と水平線を一度に見ることができる。左に湿原右は太平洋の贅沢な車窓を受けて浜中の町に。町を貫き急坂上ると港が一望できる丘の上にたどり着く。街の人たちの憩いの場所でもある霧多布温泉ゆうゆに到着。日帰り温泉が体を温めるが、外へ出ると露天風呂もある。風強い氷点下から熱いお湯につかるのは快感。

73 海上を行く

しまなみ海道来島海峡大橋 [(株)仁多観光 (株)瀬戸内しまなみリーディング]

本州から四国連絡橋3本のうち一番西側に位置し開通は3番目、つまり最後に開通した連絡橋。通称尾道今治ルート、瀬戸内しまなみ海道と呼ばれている。

これで香川県や徳島県の四国東側に対し四国西側の奥地となる愛媛県、高知県へのアクセスが便利になった。

手前の仁多観光は島根県の観光バス会社、山陰から四国西部へは距離的には短いが交通ルートは不便だったのでは、今では四国旅行を気軽に楽しむことが出来て、この日も思い出深い旅を終えて本州へ向け帰路に就くのだろう。

対する左奥側を走るのは、橋を渡って四国入りする定期バス、瀬戸内しまなみリーディング。メイン路線の福山―今治を結ぶ他、本州側は広島発も、四国側は松山行きもある。

撮影したのはこのしまなみ道の中で最も南側の来島海峡大橋、定期バスは瀬戸内しまなみリーディングをはじめ地元の多くのバス会社。また各地からやって来る観光バスが、四国から本州へ、そして本州から四国入りするバスが常に行きかい見ていて飽きない光景だ。

72 ひょうたん山

右回り 赤岩曉―三七山[三宅島村営バス]

三宅島の路線バスは島の外周道路を一周する一路線のみ。左回りと右回りが5便ずつあり、どちらもほぼ同じ時間に発車しその右回りに乗る。坪田地区の最北が起点となる三池でここから乗車して左回りとすれ違う。左回りは坪田地区最南の高校前が起点となる。

島を一周すると左に御蔵島が見えてきて、ひょうたん山のヘアピンカーブの急坂を上る。1940年の噴火で出来た山で海にも飛び出ている。写真はこの展望台から撮影。見晴らし良く美しいが、黒い溶岩流が目に入り胸を痛める。登り詰めると先ほど乗車した起点となる三池。まだ終点ではなく左回りともう一度すれ違えば終点高校前となる。この三池と高校前は坪田地区の中心部とあって一周して更にこの部分だけ重複して走る。

三宅島は釣り、海水浴、スキューバダイビングなどの海を活用した楽しみ、そして自然に恵まれた観光地も多数あるが、前述のとおり火山の噴火で青き海と、草原の緑美しい自然に恵まれているが、黒い溶岩の傷跡が多く苦労された住民のことを考えて、その姿を十分にみてねぎらってほしい。