コラム」カテゴリーアーカイブ

61 桜島を見ながら

金生町―鹿児島中央駅―平川―指宿―山川 (瀬々串浜―瀬々串)  [鹿児島交通]

西郷どん、のおかげで今や鹿児島は見つめられている都市に。
九州の中でも遠く鹿児島まで来るとさすが暖かい。
市中心部からも手に取るように見える桜島。

順光で家並みもない静かな錦江湾とともに撮影するなら瀬々串近辺。
鹿児島市内から指宿方面行きに乗車して市内を南下。有名になった平川動物園行きが頻繁運転されているが、動物園行きのバスは国道226号線から右へと分離。通院、面会者が利用する鹿児島赤十字病院を通過するとここまで止まりが多く、残るは指宿行き便だけに。でもこの近辺から片側一車線になり国道は錦江湾沿いを快走。

前述の通り路線バスの便数は少なくなり枕崎行きが一日に数本。しかし同じ枕崎行きでも鹿児島空港発の高速バスも数本ある他、この枕崎へ向かう観光バスは頻繁に通る。
交通量はまだ多くまわりの車が入らないようにするにはさらに南へ行ったほうが良い。
桜島の煙の行方を追ってなら更に難しさが増すが、ほぼ終日順光な中、静かな内海で桜島眺めていれば足の先まで体全体が癒されそうな場所でもある。

60 日本第二位の湖だった八郎潟

八郎潟駅―JA大潟村―小中学校―サンルーラル大潟前 [大潟村マイタウンバス(秋田中央交通)]

普通の川に見えるがどこ?

日本で二番目に大きな湖だった八郎潟の名残と言える東部承水路。

国土の狭い日本。海に囲まれそれをどんどん埋めれば国土も広がる。それなのに美しい湖沼をなくして干拓する事業がこのころ盛んだった。

ここへは大潟村マイタウンバスが運行。マイタウンと大きく描かれているが秋田中央交通が運行委託しているのでこのように時折、同社の路線車両もやって来る。

八郎潟駅を発車し西へ。この大潟橋を渡ればかつての八郎潟、そう誕生したのが大潟村。大きな湖だった証拠に見渡す限り平地。田圃だけのこの地、家はない信号もない、道は一直線。

JA大潟村、村役場、保育園、小中学校の前を通り過ぎ、村北部、ふれあい健康館を経由しホテルサンルーラルが終点となる。

かつては秋田県北部に位置したせいか、とても静かな湖だった。シジミの生育、そして日本海に隣接し牡蛎の水揚げも盛んだった。「若いころ泳いだよ。今では藻が広がり水はきたなくなりシジミも取れなくなったよ。」と語る地元農業を営む年配者。しかし今では米どころの代表格、県内一番の裕福な市町村となった。

59 放牧されている馬と濤沸湖

網走駅一原生花園一斜里駅 [網走バス]

網走市と小清水町にまたがる濤沸(とうふつ)湖。小さくで見えづらいが、背後に馬が草をはむ姿が見え、家畜の放牧でも名高い。付近は風光明媚で原生花園のパイオニア的存在の小清水原生花園が東側に位置している。

ここへは網走駅から網走バスで斜里行、または小清水行で30分。ほぼ一時間に一本程度運行されている。当然観光バスも数多くやって来る。

濤沸湖は網走国定公園に含まれ白鳥も飛来し、もちろんラムサール条約にも登録されている。美しい花々に囲まれていれば一日いても飽きない。

北側にはオホーツク海、西側には藻琴湖があり、こちらへ移動中にクマが道路を渡る姿を目撃した。近辺で同じく見かけた人が複数いて、周辺各地からパトカーの出動、小学校校庭から子供の姿は消え。軽トラックでクマ出没の看板立てるなど騒動となった。

道内一人での行動は、冬以外クマに注意が必要。

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58 信州フルーツライン

篠ノ井駅-篠ノ井-松代郵便局-松代 [アルピコ交通]

1998年冬季オリンピックの会場となった篠ノ井。
篠ノ井駅を東へ、国道18号線をまたぐと川中島古戦場やオリンピック会場だったオリンピックスタジアムをかすめる。更に進めば一面が果樹園となる。

リンゴ畑の他に、もも、ブドウ畑のジャングルをくぐり抜け、フルーツの香りが広がり道路にも飛び出している。近年では心ない一部の者のために、このような景観も少なくなってきた。

高速道路、上信越道をくぐり、松代駅を経由して松代高校前に到着。松代駅とは廃線となった長野電鉄屋代線の駅跡。近辺は果樹園の他にホテルや国民宿舎に加え日帰り施設もある松代温泉があり、静かな長野郊外のひとときを楽しみたい。

57 日本最後の営業用トヨタのボンネットバス

水俣産交―水俣駅―湯の児湖温泉 [九州産業交通(産交バス)]

ボンネットバスが全滅に近くなった頃1976年現在、九州産業交通が九州では唯一ボンネットバスの保有があり熊本県の全域の各営業所に少数ながら存在し合計で20~30両の活躍があった。いすゞの他、その半数がトヨタであったが翌年1977年の年度末には全体で5両まで縮小され、トヨタも1両水俣営業所に生き残った。

1978年夏に全廃となり熊本市内でセレモニーも行われた。

写真は水俣市内から八代海をバックに湯の児温泉へ向かう有終の美のワンシーン。

知られていなかった同温泉も今では多くの観光客や当時客が訪れ訪れ、バス運行も本体の九州産業交通から産交バスが水俣市から委託され、「みなくるバス」と銘打って水俣市から委託運行されている。

当時同車が運行していた路線はこの湯の児温泉線の他、中屋敷線なども「みなくるバス」として存続している。

56 連節バス今日も若さで満員

南草津駅―立命館大学 (近江鉄道)

大阪通勤圏の南草津駅。ここに京都で名高い立命館大学、びわこ・くさつキャンパスが存在する。

駅は大阪から遠く離れ滋賀県ではあっても大阪の郊外地。次々と電車が到着すれば、次々と大学生がバスへと吸い込まれていく。当然連節バスは意欲を発揮して発車していく。

駅発車して南へと商店街から住宅地、外は次第に緑が濃くなってくる。国道1号線、そして名神高速渡ると立命館大学キャンパス内に入り込む。体力作りにグラウンドで走る若者を見て終点のバス停に到着。一挙に降車してそれぞれの校舎に向けて足早に去っていく。

東京の狭きキャンパスはビルのように背高なのに相反して関西の郊外の大学は皆、広き緑の森に囲まれたキャンパスが多い。この立命館大学もその一つだが、澄んだ空気の中で学び世の中に役立つ社会人なるよう願ってやまない。

55 東京と千葉県の東端を結ぶ路線

銚子犬吠埼―山田―東京浜松町 [千葉交通]

4月の新学期とともに新入生や新社会人を見かけるようになるが、同じ時期に見かけるこいのぼり。近年住宅地ではめっきり見ることができなくなったが、郊外地では鯉たちの数も増えてよりいっそう大きくなった姿を見かけるようにになった。
千葉県郊外、山田バス停。一般路線よりもコミユニティバスと高速バス主体のバス停、いかにも現代の地方バス停。道の駅併設のバス停。ここにも仲良く並び、また美しく泳ぎ競うこいのぼりがあった。
やって来たバスは銚子犬吠埼発東京行き高速バス、犬吠号。東京から千葉県東部への観光として活躍しているが、この近辺の鉄道から遠い地区にとって東京への重要なアクセスとして重要な存在。近年共通カラーが増えたが、千葉交通オリジナルデザインのバスが東京へ地元客乗せて発車していった。
(Taka)

54 住宅地の中を行く謎の(?)路線

[臨海28乙]葛西駅前~富士公園~コーシャハイム南葛西 (東京都交通局)

江戸川区南部の南葛西地区は多くの戸建て住宅や団地があるが、JR京葉線・葛西臨海公園駅、地下鉄東西線・葛西駅のどちらからも距離が有り、都営バスが住民の貴重な足となっている。この富士公園経由の路線は、臨海車庫の出入庫という性質が強く、不規則な間隔で平日のみ一日7往復運行されている。
都営バスの路線は原則として全路線が東京都交通局発行の路線図「みんくるガイド」に掲載されているが、この路線はどういう理由か不明だが2016年4月版でも掲載されていない。途中にはこの路線だけが通る停留所が2ヶ所有るが、それらも路線図上に見ることは出来ない。最近までは交通局の運行情報サイトtobus.jpでも全く無視されていた。
かつては葛西22系統の出入庫という扱いだったが現在は臨海28乙(一之江駅前~臨海車庫)の支線として、tobus.jpで経路、時刻表やリアルタイムの走行位置情報を見ることが出来る。LED方向幕には「富士公園経由 葛西駅」の様に表示されており系統番号の記載は無いが、停留所掲示の時刻表には系統番号が明記されている。(福本)

53 黄葉の青梅街道

[王78] 新宿駅西口~東高円寺駅~王子駅 (東京都交通局)

東京都のシンボルマークであるイチョウ、都営バスのフロント中央にも銀色のイチョウのエンブレムが取り付けられている。
都庁のある新宿と郊外の青梅を結ぶ都道5号・新宿青梅線、通称「青梅街道」には街路樹としてイチョウが植えられている区間がある。東高円寺駅付近もその一つで、毎年11月後半から12月にかけて葉が黄色く色づいた美しい光景を見ることが出来る。
現在この付近を通る都営バスは新宿~王子間の王78のほか、新宿~新代田の宿91と新宿~杉並車庫間の出入庫系統がある。ほかに関東バスが中野~吉祥寺間の路線を運行している。(福本)

52 今年も残り少なく、イルミネーションで街が輝く

[た61] たまプラーザ駅~美しが丘5丁目~あざみ野ガーデンズ~たまプラーザ駅 (東急バス)

「今年も残り少なくなった。」なんて言葉と同時にイルミネーションの輝きが街の至る所で目に映る。美しき半面、せわしない気分になってしまう。
横浜市郊外、多摩田園都市を代表する東急たまプラーザ駅に降り立った。駅直結のたまプラーザテラスからノースプラザ、北口バスターミナルすべて改札から雨でも傘をささずそのまま歩ける。冷暖房完備でバス待ちができ着車と同時にのりばドアが開き乗車。利用者優位のターミナル。
外に出るとその駅名のとおり広場が美しく広がる。その先に東急百貨店が構え帰宅前の買い物客でにぎわう。そして光の集団の中からバスが次々とやってきてはターミナルに入り込み次々と発車していく。バス車内はTokyuロゴ入りバック手にした乗客が乗っている。美しい住宅街の年の瀬だった。