コラム」カテゴリーアーカイブ

41 白く咲き競う水仙

(福井駅―越前海水浴場―呼鳥門―水仙ランド)京福バス

福井駅からバスで一時間。美しき日本海に出て南下する。
そして険しい越前海岸を右に、左は崖が迫り、時々それを這いつくばるように白い水仙の花々が咲いている。越前海岸は波高く険しい。この季節に咲く花は少ない。そんな強い海風を受けて毎年自然に咲き競う水仙の花は素晴らしい。水仙の里公園を過ぎれば、福井市から越前町となる。この越前町の町の花も福井市の花も水仙。付近は淡路島、房総半島と並んで水仙の三大群生地。
夏は遠浅の越前海水浴場を通り、鳥を呼ぶ岩として名高い呼鳥門(こちょうもん)をすぎれば終点水仙ランドとなる。
越前ガニとも呼ばれている有名な冬の日本海で育ったズワイガニは冬の味覚の王様。美味でよく知られている。冷たい風受けて育った水仙がほころべば、春も近い。(高橋)

40 小京都を行く瀟洒なバス

高山駅-(高山市内)-高山駅(撮影時)  
現在  :高山駅-飛騨・世界生活文化センター 濃飛乗合自動車

さるぼぼバスが走る。さるぼぼは飛騨に古くから伝わる民芸品でさるのお守り。
高山駅を降り立ち、高山バスセンターより市内線バスに乗る。小京都と呼ばれるだけあり瀟洒な町並み中心部を流れる宮川を渡る。
各地でレトロバスが活躍する中、大型車両で後部が二階建てになっている車両はめずらしい。外観も内装も木目調で手作りの温かい感覚を受ける。最後部二階に腰掛けると、乗ってくる人たちの様子や車内全体、そして外に目を向ければ美しき飛騨の町並みが見通せる。
撮影時は高山市内線で運行していたが、現在は主として飛騨ボッカーの愛称で高山市南に位置する飛騨・世界生活文化センターシャトルバスとして運行中。(高橋)

39 山中湖花の都公園

富士山駅-花の都公園-富士山駅 富士急山梨バス(株)

さきごろ世界遺産ともなった日本を代表する富士山。この富士山駅に降り立つ。
バスで山中湖花の都公園で降りる。名前の通り山中湖に近いが、近辺五湖は名高いが、それ以外多くの観光地、みどころは数知れない。
この公園は、ゆっくりしずかに癒される広大な公園だ。二階のバルコニーから見渡せば、緑の中を雄大に走るバスがやって来る姿が遠くから見える。
のどかに走り目のでは花に囲まれた姿を見ては通り過ぎて行く、この飽きない光景。
年中花は咲く乱れ、ホームページで、その時期にどんな花が咲くか、現在どんな花が咲いているかの情報も得られる。花に囲まれ、幸せそうに走るバスをゆっくり眺めてみよう。
バス路線も複数通り、バスの車両の種類ももいろいろ、レトロバスふじっ湖号もやって来る。(高橋)

38 山陰地方最後のボンネットバス

米子駅~母里~井尻 一畑電鉄(現・一畑バス)

島根県バス会社の名門、一畑電鉄がなんと鳥取県米子駅起点に島根県内陸に山深く運行されていた。
地元2社のバスに遠慮してか米子駅前の小さな営業所兼乗り場。出発時刻になったが乗っているのは乗客のみ。地元の人たちは分かっているのか、乗り遅れのないようにか時間が過ぎて運転士さん車掌さんが乗ってきて出発。今では時間に限らずうるさい時代、のどかな思い出でもある。
しばらくは国道9号線を西へ。県境越えて島根県に入ると左折して上り坂と共に南下。伯太町に入って母里。更に奥深く分け入ると宮本前、北海道によくある○○宅前のバス停も存在。
2両が所属し1運用。一日交代で運行していたため、車両交代のため1日1回、所属営業所の安来へも姿を見せていた。(高橋)

37 南の国のえらぶゆり

和泊~国頭 沖永良部バス企業団

温暖な薩南諸島。そのひとつ沖永良部島は亜熱帯気候、海はさんご礁でエメラルドに輝いている。春になると、島の至るところに、えらぶゆりが咲き乱れる。
島の玄関口、和泊からもうひとつの玄関口、空港のある国頭方面のバスに乗車すると赤土の畑が広がり、ジャガイモやサトウキビのほかに大輪のテッポウユリ、そうエラブユリが車窓から楽しめる。
島内の花屋さんでは、島外の全国各地へコメント入りでこのエラブユリを発送してくれる。 初夏の島内、エラブユリの他、フリージア、ハイビスカスなど南国の花々の他、日本一のガジュマルの木が元気に島民を見守っている。(高橋)

36 スイセンの咲く岬

伊豆急下田駅~爪木崎 南伊豆東海バス

伊豆半島東海岸の南端近くに位置する下田市、伊豆七島に向かって相模灘に突き出しているのが爪木崎(つめきざき)。東京から直通列車が乗入れる伊豆急下田駅にほど近い下田港は幕末に長年の鎖国を破って開港し、領事館が置かれた場所として学校の教科書でもおなじみの土地。下田駅からバスで15分ほどの爪木崎は半島に囲まれた穏やかな内海の下田港とうって変わり、太平洋から荒波が押し寄せ、時に吹き飛ばされそうになるほどの強風が吹き付ける。
バスの終点から岬の先端の灯台までは海岸沿いと尾根筋の2つの遊歩道が整備され、往復で違った風景を楽しむ事が出来る。岬一面にスイセンが植えられ、その数は100万株とも300万株とも言われている(観光協会、料飲組合資料などによる)。見頃は年によって変動するが、おおよそ年明けから2月中頃まで。所定ダイヤではバスの本数は多くないが、スイセン祭りに合わせて臨時バスが増便される。バス乗り場近くには茶店や入場無料の熱帯植物温室もあるので、寒風吹きすさぶ中のバス待ちも安心。(福本)

35 大島から伊豆半島眺めて

入出港地~三原山温泉~(新火口展望台)~三原山頂口 大島旅客自動車(株)

伊豆七島を代表する大島。寒椿は早春、島のトップシーズンとなり一年中で一番にぎわう。船を下りて港からバスに乗って坂をぐんぐんと上り椿咲くつばき街道は道の両側に咲き乱れる。登ったところにさぞかし眺めの良さそうな温泉、三原山温泉に立ち寄る。放牧されている馬の姿がしばらく見受けられる、看板の説明のひとつでは沖縄与那国島育ちで遠く南の島からやってきたようだ。
やがて新火口展望台バス停に、窓からもわずかに煙を吐いた三原山が左側に大きく姿を現す。右側には伊豆半島、そして富士山が意外にも目の前に見える。まもなく終点、三原山頂口。降りた乗客は三原山頂上目指す。火口の周りを歩いて眺める有名なお鉢めぐりに登っていった。
バスの塗色は東海汽船時代から大島バス(大島旅客自動車)になってレモンイエローの一色となった。(高橋)

34 信貴山朝護孫子寺参拝バス

奈良交通(信貴山下駅~信貴山門)

約1400年前に聖徳太子が伽藍を創建し、自ら名付けたという「信貴山」の朝護孫子寺(奈良県生駒郡平群町)、新年は各地からの多くの初詣客で賑わう。
以前は東側の信貴山下駅からのケーブルカーが参拝客を運んでいた。西側のケーブルカーが出来て東側のケーブルカーは利用者が減り、廃止されて奈良交通のバスに変わった。
大晦日の夜から元旦にかけてはバスも終夜運行され、年初の数日間は臨時バスが増便運行される。臨時バスの時刻は、年末になると奈良交通や朝護孫子寺のWEBサイトで案内される。
写真は信貴大橋を渡る信貴山下駅行きのバス[2013.1.8撮影](福本)

33 室生寺~長谷寺臨時バス

奈良交通

女人高野の別名で知られ国宝の五重塔を持つ室生寺(宇陀市)、険しい斜面に立ち、春は牡丹が秋は紅葉が美しく本堂が国宝となっている長谷寺(桜井市)。奈良東部を代表するこの2つの寺院、距離はそう離れていないものの公共交通での連絡は余り便利ではない。
県内ほぼ全域を営業エリアとする奈良交通は、季節ごとに観光客の流動に合わせ臨機応変に臨時バスを運行している。この室生寺~長谷寺間も春の牡丹の季節と秋の紅葉シーズンの土曜・休日に両寺を45分で結ぶ直行バスが設定されている。かつては大型観光車が使用されたこともあったが、今秋の運行には中型観光バスが使用された。乗場には行先の書かれた専用のポールも用意されていた。運賃を支払う際に、下車後の寺院で使用出来る拝観料の割引券も貰える。
臨時路線だが、他の路線同様にIC乗車券Ci-CaやPiTaPaなども使用出来る。車載器が搭載されていないので、室生寺側の停留所に待機している一般路線車の機器を使用して収受していた。2012.11.24室生寺にて。(福本)

32 バスツアーの昼食後 ~富士五湖、河口湖畔

日本中央バス

団体旅行で昼食となると、お土産屋さんの二階に通されることがよくある。これは我々「日本バス友の会」2012年バスツアーでのヒトコマ。湖で取れた魚や近くの山で採った山菜など味わい、お腹も満足してふと窓から外を眺めると美しい風景に我を忘れることがあったりする。
ここは富士五湖で一番標高が低く、最も賑やかな河口湖畔、河口湖大橋に程近いあたり。バス好きであればその傍らで走り行くバスに目が行かないわけが無いだろう。
各地からやってきた観光バスが目の前を通る姿も楽しい。写真のバスは群馬県からやって来た日本中央バス。観光バスだけでなく富士急山梨バスが運行する乗合バス、レトロ風の観光地を走り行く路線バスなどなど、見とれているともはや集合時間となってしまった。(高橋)