風景編 PART16」カテゴリーアーカイブ

バス風景を行く 小笠原村営バス 小港海岸 髙橋俊哉


80,東京最南端のバス停へ

日本バス友の会恒例バスツアー、昨年は都内走り回る都営バスに乗って、数少ない都営バスの観光バスを使って青梅を訪ねた。

路線バス終点の上成木は山の麓の静かな場所で都心とは違い、ここが都営バス標高最高と話が出た。

では都営バス関係なく東京の最北のバス停は?最南は?なんて話が出たあと、最南はここから1000キロ以上離れている調子はずれな話が出たが事実であった。

それは小笠原諸島の父島にある小笠原村営バスの終点小港海岸。

父島は空港なく6日に一度のフェリーで24時間かかり、フェリーは4日後に折り返すため6日の時間を要する。

村営バスは2路線あり港周辺の集落を一周する循環線、そしてもう一路線、扇浦線の終点が小港海岸である。

おがさわら丸が到着する二見港のある大村地区は島内最大の集落で郵便局、警察署、村役場が隣り合い、役場向かいに営業所があり、ここから発車して商店街、港を通れば民家もなくなり、ボニアンブルーの海岸線を走って扇浦海岸から内陸に入り、すでに周りは椰子やマングローブに囲まれたジャングル同然で終点に静かに到着する。停留所ポールにも東京最南端のバス停と明記されている。

バス風景を行く 豊橋鉄道 豊橋駅―伊良湖岬 髙橋俊哉


豊橋駅降りると緑の豊鉄バスが並ぶ。

豊橋鉄道が2007年からバス部門が独立したが名鉄系で、かつては車体も名鉄と同じ赤いデザインだった。鉄道の渥美線も名鉄ではあったが今では譲渡された形だ。

代表する路線は伊良湖岬行。

豊橋駅発車して市内走り抜けても家並みはなかなか途切れず、豊橋鉄道渥美線とも並行する。沿線比較的大きな町、城下町三河田原駅に到着するが鉄道はここで終点、乗り換えてくる人もいる。

ここからはバスのみのルートであるが、いきなり家も少なくなり平野部を快走する。産地なのかキャベツ畑が続く中、菜の花畑がさらに車窓を楽しませ、しばらく美しき車窓で長旅の疲れを和ませると青い海がようやく見えてくるが、これが渥美半島突端伊良湖岬。

地図でどこ探しても湖は存在しない。

そして岩浜が続き投流し島崎藤村の歌曲椰子の実の歌の舞台だ。この岩浜の音を耳に景色を目にしながら、名も知らぬと遠き島より漂着したと考えたりすると感動したりもする。

終点のターミナルは道の駅、フェリーターミナルになっている。遠く伊勢・志摩が見えるが、この先この船に乗って鳥羽から紀伊半島など紀州への旅を楽しむのも面白そう。

78 エメラルドの海わたって、池間島

宮古島市役所(宮古島)―平良―島尻―港漁港前(池間島)八千代バス

沖縄の離島は近年橋によってつながり生活に便利な島が増えてきた。

この池間島は宮古島とつながり路線バスもやってくるようになった。

宮古島は本土返還時には五事業者があったが、各社島の玄関口の平良港近くでそれぞれターミナルが存在し、それぞれ平良とバス停名を銘打ってお互い連絡することもなく運行されてきた。地元の人にはそれで困ることないが観光等には不向きであったし、そのころ県外利用者もあまり利用しなかった。その後八千代バス以外は統合され宮古共栄バスが島全体に路線網を持つようになった。もう一社八千代バスは貸切車を増車して主に観光バス中心として観光客乗せて島内観光に貢献するようになったが、路線は一路線のみ存在し、その一路線が池間大橋完成に付き延長され、池間島島民の足として貢献している。

今では伊良部島とも橋でつながり、伊良部島唯一の共和バスも宮古島入りして、この3社は宮古市役所移転と同時に、路線起点は全て市役所ターミナルからとなり、観光路線も加わり3社が顔を合わせるようになった。

77 桜の下の待機所

松戸駅東口~市立東松戸病院 [松戸新京成バス]

市立東松戸病院は、東京のベッドタウン千葉県松戸市における医療の中核を担う施設のひとつ。JR常磐線松戸駅から病院の玄関前までを松戸新京成バスの路線が結んでいる。

折返しの間合い時間などに使用する待機所は、病院の玄関前を避けてロータリーの向かい側に設けられている。その脇には桜の樹があり、開花する時期には桜のすぐ近くで待機することになる。

外来・入院の両方で地域の医療を支えてきたこの病院も2023年度限りで閉院となる。それにともない、このバス路線も3月31日の運行を最後に廃止となる。昨年は関東地方の桜の開花が早く、3月中に満開を迎えた。今年は昨年よりかなり開花が遅くなっている。そのため、この場所での満開の桜とバスの組合わせは昨年が見納めとなってしまった様である。(fuku)

76 時代は明治に戻って、車窓からも歩き回っても明治

明治村村内 [博物館明治村]

場所は愛知県犬山市にある博物館明治村 明治時代の建物を数多く保存してあり、時代劇等のテレビによく登場する。敷地内は広く移動も大変。そこで明治時代の汽車や市内電車が活躍している。そしてバスも登場した。残念なことにバスに関しては当時のものではなく、レプリカとして再現し敷地内を走行している。バスだけあって細かく、バス停があって停車場所が多く利用する人も多い。

1000本近くある桜の木、春は村内至る所がピンク色に染まるが、卒業、入学を記念して訪れる学生も多いが今年は桜満開のタイミングが難しそう。

明治時代の建物の中を走り行くのであるから、それとマッチしているバスとのコラボ写真数多く撮影できることだろう。

あくまでも公道ではなく村内の入村者が堂々と歩く中、人の歩く中を避けて走行することは、ドライバーの神経は相当大変。もちろん、そのような場所なので速度はいたってゆっくり。そのゆっくり利用してスナップ写真撮影も、車窓からの明治時代をしのんでの眺めも楽しめる。

アプローチは名鉄電車の他、名古屋から直通バスも運行されている。名鉄バスセンター発で栄以外、数カ所に停車してこちらも乗車が楽しめる。