風景編」カテゴリーアーカイブ

38 山陰地方最後のボンネットバス

米子駅~母里~井尻 一畑電鉄(現・一畑バス)

島根県バス会社の名門、一畑電鉄がなんと鳥取県米子駅起点に島根県内陸に山深く運行されていた。
地元2社のバスに遠慮してか米子駅前の小さな営業所兼乗り場。出発時刻になったが乗っているのは乗客のみ。地元の人たちは分かっているのか、乗り遅れのないようにか時間が過ぎて運転士さん車掌さんが乗ってきて出発。今では時間に限らずうるさい時代、のどかな思い出でもある。
しばらくは国道9号線を西へ。県境越えて島根県に入ると左折して上り坂と共に南下。伯太町に入って母里。更に奥深く分け入ると宮本前、北海道によくある○○宅前のバス停も存在。
2両が所属し1運用。一日交代で運行していたため、車両交代のため1日1回、所属営業所の安来へも姿を見せていた。(高橋)

37 南の国のえらぶゆり

和泊~国頭 沖永良部バス企業団

温暖な薩南諸島。そのひとつ沖永良部島は亜熱帯気候、海はさんご礁でエメラルドに輝いている。春になると、島の至るところに、えらぶゆりが咲き乱れる。
島の玄関口、和泊からもうひとつの玄関口、空港のある国頭方面のバスに乗車すると赤土の畑が広がり、ジャガイモやサトウキビのほかに大輪のテッポウユリ、そうエラブユリが車窓から楽しめる。
島内の花屋さんでは、島外の全国各地へコメント入りでこのエラブユリを発送してくれる。 初夏の島内、エラブユリの他、フリージア、ハイビスカスなど南国の花々の他、日本一のガジュマルの木が元気に島民を見守っている。(高橋)

36 スイセンの咲く岬

伊豆急下田駅~爪木崎 南伊豆東海バス

伊豆半島東海岸の南端近くに位置する下田市、伊豆七島に向かって相模灘に突き出しているのが爪木崎(つめきざき)。東京から直通列車が乗入れる伊豆急下田駅にほど近い下田港は幕末に長年の鎖国を破って開港し、領事館が置かれた場所として学校の教科書でもおなじみの土地。下田駅からバスで15分ほどの爪木崎は半島に囲まれた穏やかな内海の下田港とうって変わり、太平洋から荒波が押し寄せ、時に吹き飛ばされそうになるほどの強風が吹き付ける。
バスの終点から岬の先端の灯台までは海岸沿いと尾根筋の2つの遊歩道が整備され、往復で違った風景を楽しむ事が出来る。岬一面にスイセンが植えられ、その数は100万株とも300万株とも言われている(観光協会、料飲組合資料などによる)。見頃は年によって変動するが、おおよそ年明けから2月中頃まで。所定ダイヤではバスの本数は多くないが、スイセン祭りに合わせて臨時バスが増便される。バス乗り場近くには茶店や入場無料の熱帯植物温室もあるので、寒風吹きすさぶ中のバス待ちも安心。(福本)

35 大島から伊豆半島眺めて

入出港地~三原山温泉~(新火口展望台)~三原山頂口 大島旅客自動車(株)

伊豆七島を代表する大島。寒椿は早春、島のトップシーズンとなり一年中で一番にぎわう。船を下りて港からバスに乗って坂をぐんぐんと上り椿咲くつばき街道は道の両側に咲き乱れる。登ったところにさぞかし眺めの良さそうな温泉、三原山温泉に立ち寄る。放牧されている馬の姿がしばらく見受けられる、看板の説明のひとつでは沖縄与那国島育ちで遠く南の島からやってきたようだ。
やがて新火口展望台バス停に、窓からもわずかに煙を吐いた三原山が左側に大きく姿を現す。右側には伊豆半島、そして富士山が意外にも目の前に見える。まもなく終点、三原山頂口。降りた乗客は三原山頂上目指す。火口の周りを歩いて眺める有名なお鉢めぐりに登っていった。
バスの塗色は東海汽船時代から大島バス(大島旅客自動車)になってレモンイエローの一色となった。(高橋)

34 信貴山朝護孫子寺参拝バス

奈良交通(信貴山下駅~信貴山門)

約1400年前に聖徳太子が伽藍を創建し、自ら名付けたという「信貴山」の朝護孫子寺(奈良県生駒郡平群町)、新年は各地からの多くの初詣客で賑わう。
以前は東側の信貴山下駅からのケーブルカーが参拝客を運んでいた。西側のケーブルカーが出来て東側のケーブルカーは利用者が減り、廃止されて奈良交通のバスに変わった。
大晦日の夜から元旦にかけてはバスも終夜運行され、年初の数日間は臨時バスが増便運行される。臨時バスの時刻は、年末になると奈良交通や朝護孫子寺のWEBサイトで案内される。
写真は信貴大橋を渡る信貴山下駅行きのバス[2013.1.8撮影](福本)

33 室生寺~長谷寺臨時バス

奈良交通

女人高野の別名で知られ国宝の五重塔を持つ室生寺(宇陀市)、険しい斜面に立ち、春は牡丹が秋は紅葉が美しく本堂が国宝となっている長谷寺(桜井市)。奈良東部を代表するこの2つの寺院、距離はそう離れていないものの公共交通での連絡は余り便利ではない。
県内ほぼ全域を営業エリアとする奈良交通は、季節ごとに観光客の流動に合わせ臨機応変に臨時バスを運行している。この室生寺~長谷寺間も春の牡丹の季節と秋の紅葉シーズンの土曜・休日に両寺を45分で結ぶ直行バスが設定されている。かつては大型観光車が使用されたこともあったが、今秋の運行には中型観光バスが使用された。乗場には行先の書かれた専用のポールも用意されていた。運賃を支払う際に、下車後の寺院で使用出来る拝観料の割引券も貰える。
臨時路線だが、他の路線同様にIC乗車券Ci-CaやPiTaPaなども使用出来る。車載器が搭載されていないので、室生寺側の停留所に待機している一般路線車の機器を使用して収受していた。2012.11.24室生寺にて。(福本)

32 バスツアーの昼食後 ~富士五湖、河口湖畔

日本中央バス

団体旅行で昼食となると、お土産屋さんの二階に通されることがよくある。これは我々「日本バス友の会」2012年バスツアーでのヒトコマ。湖で取れた魚や近くの山で採った山菜など味わい、お腹も満足してふと窓から外を眺めると美しい風景に我を忘れることがあったりする。
ここは富士五湖で一番標高が低く、最も賑やかな河口湖畔、河口湖大橋に程近いあたり。バス好きであればその傍らで走り行くバスに目が行かないわけが無いだろう。
各地からやってきた観光バスが目の前を通る姿も楽しい。写真のバスは群馬県からやって来た日本中央バス。観光バスだけでなく富士急山梨バスが運行する乗合バス、レトロ風の観光地を走り行く路線バスなどなど、見とれているともはや集合時間となってしまった。(高橋)

31 晩秋のタ焼小焼

西東京バス (京王八王子駅ー夕焼小焼ー陣馬高原下)

京王八王子駅を出発したバスはターミナル左へ、東京のベッドタウンとあってか、多くのバスが出発しかつ多くのバスとすれ違う。もう一箇所のJR八王子駅も立派なターミナル。
陣馬街道を西へとバスは進んでいくが目の前には紅葉で染まった山々が迫ってくる。普段は都会の変哲のない路線バス。週末で晩秋となると車内はリュック背負ったハイカーでいっぱい。道幅は次第に狭くなりながら北浅川沿いに。
ます釣りを楽しむ人々を見ながら夕焼小焼に到着。童謡で有名にもなりバス停北側に夕焼け小焼けの碑が立つ。更に上り坂が急になって終点陣馬高原下到着。下車した乗客はそれぞれの目的地へ歩いていく。

この先は陣馬山、和田峠神奈川県境となるが峠下ったクライマックスは青い相模湖が広がる。夕焼け小焼け号、写真のボンネットバスは現在は運行していませんが、在来車両での運行で路線等は変更ありません。(高橋)

<2012年10月掲載>

30 のどかに牧場眺めて

観光バス (千葉県房総半島)神奈中観光(株)

季節問わず動物が草を食む姿はとてものどか。ここの牧場では、牛、馬、羊、豚等々、殆どのの動物にふれあう事が出来、季節問わず見られる風景。特に冬のない南房総は東京近辺から多くの観光バスが訪れる。アクアライン開通以来神奈川県からも多くの観光バスがやって来る。写真の車両は神奈川県の路線バス名門、神奈川中央交通のグループ会社、神奈中観光。
この場所は、九重駅からすぐで館山日東の路線バスも運行されるほか、高速バス、千葉行南総里見号、東京行なのはな号も頻繁に通る。

29 オープンデッキのバス乗って春風浴びよう

日の丸自動車興業(株)、(株)はとバス[東京都内定期観光]

今年の冬は長く、やっと春が来た、と言いたい人も多いだろう。そんな春にオープンデッキの二階建てバス乗って春風を味わおう。写真左側は、日の丸自動車興業のスカイバス、右側ははとバスのオー・ソラ・ミヨ。今やスカイツリーは東京の新名所。こんな場所は定期観光どうしがこうやって並ぶこともある。両方とも乗ってみての、’のりくらべ’もたのしいだろう。
警報など危険と判断される時以外は雨の日も冬の寒い時も夏の暑い時も運行は通年されているが、防寒、日焼け対策は自分で準備となる。見上げれば大空が広がる。樹木が手にとることも出来るが、運行中に席を立つことは厳禁となっている。
オープンデッキのバスは季節に関係なく運行されています。(高橋)