技術編」カテゴリーアーカイブ

15 京都BYD電気バス

京都急行バスが東山区の京都女子大前から京都駅八条口、四条河原町を結ぶ路線「プリンセスラインバス」に平成27年2月23日から中国製のBYD社製の大型電気バスK9を5台導入した。

定員は69名、フル充電で220km走行可能である。全長12m、総重量18t、リチウムイオン電池を搭載し、すべての車輪にインホイールモーターを採用している。

前ドアはグライドスライド式であるが、中ドアは車体に平行して外側に分割開閉するタイプである。

モーターの最大出力効率は95kw, 最大トルクは550Nm, 価格は約8000万円である。

14 オープンデッキバス スカイバス東京

東京の新しい定期観光バスの顔としてすっかり定着したスカイバス東京は日の丸自動車興業が運行しており、東京駅丸の内口の丸の内三菱ビルから発着しています。

車両は開放感たっぷりのフルオープンタイプや屋根開閉式ホロのカブリオレタイプ、屋根がガラス張りのスケルトンタイプの3種類が導入されています。

コースは皇居・銀座・丸の内コースや東京スカイツリー・浅草コースなど5コースが設定されていますが、料金も1,600円~2,100円とリーズナブルなことに加え1日に9本設定されるコースもあるなど利用しやすさも手伝って根強い人気となっていいます。

13 オープンデッキバス OSAKA SKY VISTA

近鉄バスが、昨年の7月10日より2階建オープンデッキバスの運行を開始した。

コースは近鉄高速バスセンターを起終点として、大阪城、道頓堀、通天閣、あべのハルカスなど大阪市内の約19kmを、約1時間20分で巡る定期観光バスとなっている。1日4便で毎日運行しており、定員は42名、運賃は、大人2,000円、小人1,000円となっている。

車両は三菱ふそうのエアロキング、ダブルデッカーを改造して使用している。改造費は約2,300万円、ダブルデッカーなので、全高も3.74mと高く眺めは抜群である。バスガイドが添乗しており、観光案内を行い、英語、中国語、韓国語の多言語ガイドシステムも用意されている。これは富士ゼロックスが提供する、GPSと専用ポータブル端末を連携させた「観光音声ガイドサービス」というガイドシステムである。運行するバスの位置情報に合わせて、あらかじめ登録された観光スポットの紹介を行う。

12 「グランドリーム号」導入 [JRバス関東・西日本JRバス]

ジェーアールバス関東・西日本ジェイアールバスの両社では、東京~京阪神間の夜行高速バス「ドリーム号」シリーズに、新車を各4両、計8両導入し、「グランドリーム号」と名付けて、平成26年10月31日より運行を開始した。

3列独立シート28席でトイレ付。座席は新開発の「クレイドルシート」で、ゆりかごのように包み込む座り心地との触れ込み。リクライニングさせると、座面全体が傾いて、実際にも、そのような感覚となる。さらに空気清浄器・Wi-Fi設備・充電用コンセント・プライベートカーテン等の設備も設けた。(高島)

11 北村製作所の「なまず」

かつて、バスはシャーシと呼ばれる「自動車として走るための機械系」とボディ(車体)とが独立していて、それぞれ別々の会社で生産されていた。シャーシメーカーの多くは系列の車体メーカーをもっていて、製造するバスの多くにそこで車体を架装していたが、一方で系列に属さない独立系の車体専門メーカーが存在し、様々なメーカーのシャーシに同じ基本設計のボディを架装しているところも有った。たとえば西日本車体工業や富士重工業などは、国内でシャーシを生産している4メーカー全てに同じ形式のボディを架装したものを販売していた。

NPOバス保存会の保存車である元・山形交通TSD40はいすゞ自動車が製造した全輪駆動トラック用シャーシに、新潟市にあるボディメーカーの北村製作所がボディを架装したもの。北村製作所はバス車体事業開始当初は各社のシャーシに架装していた、ある時期から基本的にいすゞ車のみ架装するようになった。

この北村製作所が昭和末期にいすゞLV314系のシャーシに架装して、地元の新潟交通限定で100両納車したのが「なまず」とよばれるバス。この呼び名はフロント部の形状に由来するとのこと。画像は2008年6月にバス愛好家有志が実施した貸切ツアーの際、許可を得て営業所内で撮影した物。2012年に最後の一台が引退し、新潟市中央区の鳥屋野(とやの)交通公園に保存されている。

近年では特装車を除き、ボディとシャーシを同じメーカーまたは系列会社で生産することが当たり前になり、独立系車体メーカーというビジネス自体が成立しなくなった。そのため西日本車体工業は会社そのものが解散し、富士重工業、北村製作所はバス車体架装事業から撤退した。(福本)

10 北九州市交通局の電気バス

北九州市交通局では平成26年3月26日より電気バスの運行を開始した。

車両は韓国製で韓国内で組み立てているものの、車体は東レ製のカーボンファイバーを採用し車両の軽量化を計り、また三菱重工製の高性能Liイオン電池を使用し日本の技術が多く採用されている。この技術導入で航続距離80km(カタログ値)を達成している。

車両寸法は全長11.065m、幅2.495m、高さ3.475mで、重量は11,250kg。 定員は72名、最高速度は85kmとなっている。

現在運行している路線は、エコタウンセンターから戸畑駅までの約9kmを若松営業所8時11分発、戸畑駅8時45分着、戸畑駅8時50分発、エコタウンセンター着9時23分着の1往復、エコタウンセンター11時49分発、戸畑駅12時26分着、戸畑駅12時35分発、エコタウンセンター13時08分着の1往復の計4便であり、この路線を2台の車両で運行している。また運行は平日のみである。

この電気バスの運行はゼロエミッション交通システム推進の一環である。

平成26年10月までは、通常の電力により給電していたが、10月からは、エコタウンセンターに設置したメガソーラーシステムからの給電が開始され、平成27年4月からは、大型蓄電池の運用が始まり、最終的にゼロエミッションで安定的に電気バスの運行が可能になる。(村岡)

9 福岡オープントップバス

日野トラックシャーシにバスボディー架装

福岡市内の主要観光地を巡る日本初の国産オープントップバスが昨年から運行されている。

車両は日野のトラック「プロイフィア」の4軸低床車のシャーシをベースにバスボディーが架装されている。この専用車両は2台ありそれぞれアーバンレッドとマリンブルーに塗装されている。

「シーサイドももちコース」「博多街なかコース」「福岡きらめき夜景コース」の3コースがある。「シーサイドももちコース」はマリンブルーの車両で運行され1日4便、「博多街なかコース」はアーバンレッドの車両で運行され1日4便、「福岡きらめき夜景コース」は両タイプの車両で運行され1日2便となっている。

3月の末に「博多街なかコース」に乗車した。平日にも関わらず春休み中ということもあり36名の座席も満席であった。トラックシャーシであるが、総輪エアサスなので乗り心地は良好で、3.2mからの眺望はやはり圧巻である。3月ということでまだ寒い季節であったが防寒用に専用のロングコートを貸しており、また足元から温風が出ていて寒さはあまり感じなかった。

またこのバスはバスアナが乗車して観光案内を行うことも1つの特長となっている。 現在15名のバスアナが在籍しており、皆タレント・モデルで1人1人がオリジナルの観光案内を行う。私が乗車した便のバスアナの案内も大変上手であり、やはりラジオのDJをしているとのことであった。(村岡)

8 EVバス(ELEMO AKITA)

いすゞELGAmio 改造車

先日東京ビックサイトで開催されていたカーエレクトロニクスショーに、実車が展示されていた。この車両は「あきたEVバス実証コンソーシアム」という秋田県と技術支援企業・機関が協賛する組織によって作製された。

2012年の7月より緑ナンバーを取得して実証実験が行われており、また2013 年の8月からは秋田中央交通により営業運転も開始される予定である。

この車両は、いすゞELGAmioノンステップ車を改造して作製された。コストを抑えるため、主な改造はエンジンをモーターに載せ替えた程度で、クラッチ及びトランスミッションはそのまま使用されている。また外観や室内もそのままで定員も変わらない。

搭載されているバッテリーはリチウムイオン電池で、日産自動車のEV「リーフ」と同じものを用い、ここにもコスト削減の工夫が伺える。また屋根には太陽電池が搭載され充電を補う。

運転の方法はエンジン車とは多少違い、発進時はギアを入れ、クラッチは繋いだままアクセルを踏むことでスタートする。その後シフトアップする際はクラッチを踏んでギアを変えるのはエンジン車と同じである。しかしながらモーターの特性である低速トルクの太さを生かして3速固定の走行も可能である。満充電時の走行距離は36km, 最高速度は100kmとなっている。(村岡)

7 京王電鉄バス3列車

三菱 QRG-MS96VP

外観に派手さは無いが、3列車である。

マイナーチェンジでホイールベースが変わったから、乗り心地はかつてのエアロクイーンMの再来!?と思ったら、U-MS826Pのイメージでした。(初期車ほどではないけど。)外車(韓国車)にも攻め込まれているんだから、頼みますよ、三菱ふそうさん。(大澤)

6 『珍車』ノンステップバス

三菱ノンステップバス PKG-MP35UK改

三菱ふそうトラック・バスと日産ディーゼル(現UDトラックス)がバス事業で提携を開始した為ディーゼルノンステップバスはすべて日産ディーゼル製のエンジンMD92TJを積み西日本車体でボディーを架装していた。

その後ユーザーからの要望及び納期遅延から2009年4月より再び三菱ふそうトラック・バスにおいて生産することになった。

しかしながら2010年6月のポスト新長期規制対応によるモデルチェンジから搭載エンジンが6M60に替わり形式もLKG-MP37FKとなった。その為PKG-MP35UK改はわずか1年の短命となった。

この数少ない車両に乗車してみた。見た目はワンステップバスとあまり変わらないが左側の窓の位置が中ドアの前と後ろで高さが違うくらいである。

エンジン音はMD92TJ特有のキューンというターボ音は西日本車体製の車両と同じだが排気音は多少違う様に感じた。車内は車内高がワンステップ車と同じなので後部座席に座ってもノンステップ車特有の圧迫感がない。

今後もこのボディーは継承されるので外観での見分は難しいですが、さてエンジン音で違いがわかるでしょうか?(村岡)